実演家の学校への派遣の実状

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実演家が学校の授業で何等かの指導に関わるということは、どの程度行われているのか、学校全数調査はないようですが、任意回答の調査によると、平成14年度の調査で24.7%(回答学校数=13,774校)、平成20年の調査で30.4%(回答学校数=20,237)という状況でした*。実演家といってもいろいろな人がいるので、どういうキャリアの方がどのような授業を行っているのか、全国的には把握されていませんが、分野では、音楽や伝統芸能などの実技指導が半数以上を占めています。芸団協では、2000年より、学校への和楽器導入に合わせて実演家による伝統音楽のモデル授業の研究を行いました。その具体的な内容は『実演家が学校にやってきた~和楽器授業ガイドブック』(2006年)にまとめています。

 

 文化庁では、子どもたちに舞台芸術のワークショップと鑑賞を組み合わせて体験させる事業を実施してきたのに加えて、学校への芸術家派遣も単独で行っており(「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」の中に、いくつかのメニューがある)、芸術家等が学校の授業に関わることを支援する施策があります。分野は限定されていませんので、多岐にわたっています。

 

器楽演奏や合唱、舞踊などの実技指導を目的とするのではなく、子どもたちの創造力、表現力やコミュニケーション能力の育成を主目的とする授業が全国的に注目されるようになったのは、わりと最近のことです。芸団協では、2000年より表現教育指導者養成講座を受講した実演家の実習として実演家を学校に派遣してきました。やはり2000年ころから「芸術家と子どもたち」が舞踊家や美術家などによる授業の実績を積み重ねています。さらに横浜市では、2004年から横浜市芸術文化教育プラットフォームという事業を展開していて、NPO法人STスポットと横浜市芸術文化振興財団、横浜市市民局、横浜市教育委員会が連携してアートの力を子どもたちの学びの基礎づくりに活かすため、地域のNPOや文化施設、芸術団体等が協力して体験型、鑑賞型両方のプログラムをコーディネートしてきています。ほかにも地域ぐるみで実演家と先生たちが協働する授業の例は各地で試行されてきました。総合的な学習の時間での「表現」や「コミュニケーション」の授業という位置づけだけではなく、国語や社会といった教科や、道徳の単元や学芸会などの学芸行事などとの関連で、年間の授業計画の中に実演家が協力する関わり方で授業を構築している例もあります。

 

2010年度からは、文部科学省と文化庁が「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」事業を開始し、2011年度には13のコーディネート団体が採択されて学校申請枠とは別に学校と実演家等を結び付けて授業を実施しています。これらの団体には芸団協や「芸術家と子どもたち」も含まれており、比較的実績のある団体が採択されています。

 

 

平成23年「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」

採択団体(団体申請分)

 

実施都市県

団体名

分野

岩手県

NPO法人いわてアートサポートセンター

演劇、音楽、ダンス等

岩手県

財団法人盛岡市文化振興事業団

演劇

東京都

NPO法人 PAVLIC

演劇等

東京都

NPO法人 芸術家と子どもたち

http://www.children-art.net/

ダンス、音楽、演劇、美術等

東京都

(社)日本芸能実演家団体協議会

演劇、文学、ダンス

東京都/

愛媛県/鹿児島県

中野ケアセンターterrace

演劇、川柳、音楽、ダンス

神奈川県

(財)厚木市文化振興財団

演劇

兵庫県/

和歌山県

NPO法人ジャパンコンテンポラリーダンスネットワーク

ダンス

長崎県

NPO法人長崎県子ども劇場連絡会

演劇等

熊本県

(財)熊本県立劇場

演劇、ダンス等

横浜市

NPO法人STスポット

音楽、演劇、ダンス等

名古屋市

うりんこ劇場

演劇、人形劇等

福岡市

NPO法人コデックス

ダンス