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12月2日国会請願行動を行いました

 

12月2日、全国からお寄せいただいたおよそ60万筆の署名とともに総勢150名の参加者が、25班にわかれて国会議員の方々に請願のお願いに上がりました。表紙タイトルを「文化芸術立国に向けて文化関連予算の大幅な増額等を求める請願」として、音楽議員連盟所属議員を中心とした80余名の先生方に国会提出および文化政策の充実についてお願いしました。本請願署名は、1月に開催される通常国会にて国会に提出され、衆議院参議院の各文教委員会での採択を経て、本会議での検討議題となります。

また、野村萬芸団協会長、崔洋一日本映画監督協会理事長、谷口元日本音楽出版社協会会長、ピアニストの中村紘子さんをはじめとする代表団は、同日玄葉光一郎国家戦略相、髙木義明文部科学大臣と面談。「平成23年度税制改正および予算に関する要望―実演芸術の振興に関する基本的な政策の確立を―」を提出するとともに、本請願の意を汲んだ文化政策への反映を求めました。

 夕刻には、衆議院講堂にて超党派・音楽議員連盟総会/「もっと文化を!」キャンペーンのつどい~文化芸術立国に向けて―「もっと文化を!」国会請願に託して~を開催。オープニングではヴァイオリン演奏に加え、国境を超える音楽の深さにもふれ、もっと文化を享受する機会が広がってほしい、という思いがかきたてられました。呼びかけ人からの報告では、野村萬 芸団協会長が、本請願行動について「これからの文化芸術の振興・発展のための大事な背骨であり、これに肉をつけ、血を通わせ、真の『文化芸術立国』への第一歩となるべく、鋭意努力してまいる所存で御座います。」と今後に向けての熱意を強く述べました。中野寛成音楽議員連盟会長からは、「文化は心豊にし、夢を膨らませ、それぞれが想像することで、みんなの笑顔が生まれてくる。これこそが費用対効果なのに、0.1パーセントというのは気になる。音楽議員連盟では全力をあげ、一致結束してやっていきます。」と力強い決意が述べられました。最後は三遊亭小遊三師匠(落語芸術協会副会長)の落語「浮世床(うきよどこ)」で会場中が大笑いとなって閉会となりました。

(写真左)署名提出の様子:左から谷口元氏、崔洋一氏、野村萬氏、簗瀬進氏、中野寛成氏、横光克彦氏、桂きん枝氏
(写真右)つどいオープニング演奏:篠崎史紀氏(NHK交響楽団第1コンサートマスター)、山本佳澄氏(ピアニスト)

【つどい発言要旨】
中村紘子さん(ピアニスト):ローマは1日にしてならず。文化も10年20年100年の計をもって育てなくてはいけない。豊な想像力を育てることが豊な創造力を生み出す。間接的には経済の発展につながる。政治を司る先生方には、長い目でバックアップをいただきたい。

本田光洋さん(公益社団法人能楽協会専務理事):今回、1,300余名の能楽協会で10万の署名を集めました。能楽師ではない一般の方々から多くのご賛同をいただき、日本の将来、豊かな国、文化芸術を通じてのこれからの政治、経済、外交への期待の現われだと思います。ぜひ実現するようお願いします。

水谷内助義さん(日本新劇製作者協会会長):私達の先達は厳しい国家の弾圧を経験したことを忘れてはならない。近代国家が成立して以来、学校教育の中で演劇がとりあげられることなく、今も国の芸術大学に演劇科はない。この事実をしっかり踏まえつつ、演劇をはじめ多様な芸術支援を願っていかなければならない。

岡本佳津子さん(社団法人日本バレエ協会副会長):バレエ芸術は国際的な広がりをみせており、近年では中国や韓国でも国をあげてバレエに取り組んでいます。日本でも新国立劇場は出来たものの教育のシステム充実、学校の設立などしっかりした基礎をつくっていただきたい。」

眞境名正憲さん(沖縄県芸能関連協議会専務理事):沖芸連の33加盟団体で協力し"10万人署名”として取り組んだ。「組踊」がユネスコ世界文化遺産に登録され、運動も盛り上がって8万に達した。芸団協の計らいで沖縄選出/出身の8議員を訪問し署名を手渡した。6人の議員にお目にかかり、議員の皆さんに、ともに頑張ろうと励まされた。

崔洋一さん(協同組合日本映画監督協会理事長):文化が黙っていても成長する時代はとうに終り、個別の固有性のみにこだわっていては、立ち行かなくなる。文化芸術振興基本法の制定時より、実演家、産業界、映画監督、さまざまな団体で立ち上げた文化芸術推進フォーラムの一員として、数字にならない現実を10年以上見据えてきたが、1個の産業のため、1個の文化団体のためではなく、この国の進歩、平和な豊かさ、アジアや世界への貢献のためにもなんとかしていただきたい。

塩谷立衆議院議員(音楽議員連盟副会長/自由民主党):過去に文部科学大臣も勤めた経験から、政治の上でも国際関係の上でも、文化の振興は国として必要であり、0.11%ではなく少なくとも0.5%として、素晴らしい日本を作っていきたい。

斉藤鉄夫衆議院議員(音楽議員連盟副会長/公明党):平成13年に音楽議員連盟を舞台に議論を重ね、文化芸術振興基本法が成立し、文化予算を0.08%から1%まで徐々に増やしていくこと、具体的な支援策となる個別法を作っていくこと、この2つを誓って来たが、個別法はひとつもできていないことを反省している。音議連でがんばりたい。

服部良一衆議院議員(音楽議員連盟副会長/社民党):どういう日本を作っていくのかという理念がはっきりすれば、予算はついてくるもの。軍事大国でなく文化大国を目指したい。

宮本岳志衆議院議員(市田忠義音議連副会長代理/共産党):公演の会場や街頭でみなさんが訴えて集めた60万余の署名の重みを受け止め、担当する文部科学委員会でも、文化予算を0.5%にと要請している。30億円増額では足りないので、もっともっと大きな声にしていきたい。

川田龍平参議院議員(みんなの党):議会の役割としても文化は大事であり、国家予算、政策決定にあたっても文化国家としてふさわしいような国家にしていけるようにしたい。

浜本宏衆議院議員(民主党):芸術や文化や文学がなければ、現在の自分はない。阪神・淡路大震災でも、やはり心の癒しが大切だった。そのお返しをするためにも、この国で芸術、文化が広がっていくように、がんばっていきたい。

中後淳衆議院議員(民主党):事業仕分けで文化庁の仕分けを担当し、予算執行にあたっての事業の見直しという観点で取り組んだ。国民のみなさんが文化芸術にお金を払っているなら、国も支援して予算が上がっていくということもあるのではないか。生活の中に芸術が根付いて、みなさんの心が豊になるようにがんばりたい。

横光克彦衆議院議員(音楽議員連盟幹事長/民主党):国も文化芸術立国という旗を掲げている以上、文化芸術の発展のための予算に重点配分をしていくことが必要不可欠。文化芸術の原点である心の癒しと、産業経済の振興への貢献、この両輪が組み合わさったときに芸術文化の振興は花開いていく。これを超党派の音楽議員連盟が一体となって進めていきます。

(写真おまけ)



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