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“文化芸術政策を国の基本政策に”
はじめて文化芸術政策の充実を求める国会請願が採択



9月7日(金)、第180回通常国会において、“文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えることに関する請願”が衆参両院において採択されました。文化芸術政策の充実を求める国会請願が採択されるのは、国会史上はじめて。音楽議員連盟会長、文化芸術推進フォーラム議長/公益社団法人日本芸能実演家団体協議会会長より下記コメントが寄せられました。

音楽議員連盟会長 中野 寛成 衆議院議員
昨年、文化芸術にかかわる方々は、全国の国民に呼びかけ、文化予算を国家予算に0.5%に高める「もっと文化を!」を63万筆にも及ぶ請願を集められ、国会に提出されました。この国民の声、時代の要請は、文化芸術振興基本法制定以来、我が国の文化芸術の充実を願ってきた私ども音楽議員連盟への叱咤と激励であり、文化芸術のさらなる充実は急務と考えておりました。 「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」等の文化芸術振興のための法的基盤整備とともに「文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えることに関する請願」採択を実現できたことは、文化芸術立国への大きな一歩になると考えております。 請願採択を契機に、文化芸術関係者とともに世界に誇れる我が国の文化芸術をさらに豊かなものにしていきたいと念じております。

文化芸術推進フォーラム議長/公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 野村 萬 会長
今国会(第一八〇回)におきまして、「文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えることに関する請願」が、衆参両院において採択されましたことに深く感謝を申し上げます。文化政策に係る請願が、国会で採択されたことは史上初のことであり、諸課題が山積する中、国会が文化政策に対しお示しになった見識を高く評価致します。 今国会におきましては、文化政策に係る三つの法律が、整備施行されました。「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」、「古典の日に関する法律」、そして違法配信に関する「著作権法」改正でございます。いずれも、これからの我が国が、文化芸術活動の基盤を充実させ発展の方向性を示し、かつ文化芸術立国を確立していく上に欠くことのできない重要な法律であります。 この度の成果に至る道筋を主導し、活発な運動の軸となって頂いた、中野寛成会長を中心とする音楽議員連盟の活動と、それを担ってこられた諸先生方のご努力、ご尽力に敬意を表しますとともに、文化芸術に携わる者として負うべき責任を改めて痛感いたし、文化芸術の発展に、今後なお一層尽力して参る所存でございます。

2010年の「もっと文化を!」キャンペーンで全国から63万筆の署名が集まり、第177回国会に提出した際は、2011年8月31日に保留の結果となりました。しかし、請願項目を見直し、新たに2012年2月、緊急に約1万筆が集められ、4月に文化芸術推進フォーラムより、超党派音楽議員連盟役員および衆参両院に託されました。

衆議院文部科学委員会には、斉藤鉄夫議員(公明党)、宮本岳志議員(共産党)、浜本宏議員(自民党)、馳浩議員(自民党)、河村建夫議員(自民党)、服部良一議員(社民党)、永江孝子議員(民主党)、田島一成議員(民主党)、池坊保子議員(公明党)より計5,962名、参議院文教科学委員会には、那谷屋正義議員(民主党)、柴田巧議員(みんなの党)、鈴木寛議員(民主党)、水落敏栄議員(自民党)、橋本聖子議員(自民党)、草川昭三議員(公明党)より計3,757名、合計9,719名の署名が提出されていた。(議員名は提出順に掲載)

「国は、文化芸術の力を生かした震災復興と地域社会の活力を生み出す文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えてください」と掲げた請願は下記の通り。

【請願趣旨】
実演(パフォーミング)芸術(アーツ)をみて、きいて、体験することで得る感動や気づきは、創造性や意欲をかきたて、誇りと希望をもって生きる源となります。地域社会の中で文化芸術に親しみやすい環境を整え、文化産業、観光産業として発展させることは、少子高齢化やネット社会の進展から生じる現代社会の問題に対する切り札となり、人々の絆を大切にした地域社会づくりに貢献し、経済活動の活性化の原動力になると考えます。東日本大震災復興基本法にも「地域の特色ある文化を振興し」と謳われていますが、文化芸術の力は被災地の復興に必要不可欠なものと考えます。
フランスは国家予算の0.86%、韓国は0.79%を文化予算に充てていますが、日本は0.11%にしか過ぎません。2011年第177回通常国会へ提出された63万に及ぶ国会請願を踏まえ、我が国も国家予算に占める文化予算の割合を高め、文化芸術を国づくりの基本に据えて文化芸術立国をめざす必要があります。
文化芸術振興基本法制定10年を期して、文化芸術政策の充実のため、必要な文化関係予算を確保することを求めます。

【請願事項】
一、国民の実演芸術創造と享受の機会を拡充してください。
一、被災地の文化の振興のための施策を充実し、地域社会の復興を進めてください。
一、芸術組織が、その専門性を発揮し、持続的に発展していける助成制度をさらに充実してください。
一、人々が、みて、きいて、体験できる実演芸術拠点を充実させるための法整備の検討を進めてください。
一、観光、産業などへの波及効果を視野に入れ、多彩、多様な文化芸術の振興を、国の成長戦略として位置づけてください。
一、以上の政策を推進するために必要な予算を確保してください。


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