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子供たちの真剣な眼差し~囃子(篠笛、小鼓・太鼓)

2019.12.13 トピック

長唄囃子のなかでも、篠笛と小鼓・太鼓とでは、
ちょっと役割に違いがあります。

メロディーを得意とする篠笛は、一管ずつピッチが異なるので、
どんなに大勢のチームでも、演奏者はたった一人。
抒情的なシーンから、軽やかなお祭りの雰囲気まで、
曲ごとに、さまざまな色合いを添えて、豊かな世界を拡げます。

もっぱらリズムを担うのが小鼓と太鼓ですが、
それぞれに音色や響きに変化を付けられる点が魅力。
どちらも「ハーオ」「ヨーオ」など、
間(ま)をはかる掛け声が重要な意味を持ちます。

発表会では、唄・三味線ほかの先生たちの助演を得ます。
そうしないと曲が成り立たないからです。
でも、自分たちが学んだ楽器は、子供たちだけでトライ。
最低限必要な手助けのもと、子供たちだけで頑張る姿は、
毎年、感動を呼びます。

今年の発表曲は、次の通りです。
篠笛は「官女」と「越後獅子」。
小鼓は「雛鶴三番叟」と「越後獅子」。
そして小鼓と太鼓で「小鍛冶」。

どの曲も、長唄の有名曲揃い。
少しでも長唄をかじった人なら、誰でも口ずさめるはずです。
「越後獅子」は、江戸の町で、お正月の風物詩として人気があった
越後(今の新潟県)出身の角兵衛獅子を歌った曲。
「官女」は、宮廷や将軍に仕えた女性のこと。
平家が滅亡した後、屋島の浦に生き残った官女が、
昔の暮らしを懐かしむ様子を描きます。(G)

*フォトグラファー・武藤奈緒美さんによる写真を
アルバムでお楽しみください。