コラム 第七回

社会生活基本調査より―③全国の舞台芸術鑑賞状況<クラシック音楽>

―総務省が5年に1度行っている社会生活基本調査、最新の2006年の政府統計からみる舞台芸術鑑賞状況その3―


1年間に音楽会などによるクラシック音楽鑑賞を行っている人の割合(鑑賞行動者率)は、全国で9.3%。図の各都道府県の実施率分布から赤色で示されているのは、東京都、神奈川県に加え、長野県が12%以上の鑑賞行動者率となっています。表の年齢別鑑賞行動者率において長野県の詳細をみると、10~14歳で20.2%となり、これは教育機関での鑑賞教室実施率の高さ(平成19年度小学校、中学校、高等学校全体で84.5%)や毎年行われるサイトウ・キネン・フェスティバルの存在も大きく寄与していると推察されます。

鑑賞行動者率が10~12%となるのが、図のピンク色の地域。京都、そして石川県立音楽堂を拠点に活動を行うオーケストラ・アンサンブル金沢をもつ石川県、オペラ公演が盛んなびわ湖ホールを有する滋賀県と奈良県が同率となっています。8%~10%(緑色)となるのは、オーケストラの拠点があったり、音楽祭を行っている地域が多くを占めています。一方、6.5%以下は、青森県・熊本県(6.5%)、山口県(6.3%)、高知県・沖縄県(6.2%)、三重県(5.8%)。広い県域で山間部や離島などでの鑑賞の機会の創出が難しいのも一因と考えられます。

地域の施設の運営方針や芸術団体の活動状況、行政からの支援によって、地域の人々の鑑賞機会へのアクセスも大きく異なります。近年では、地域の近隣の会館で連携して実演家を招聘することで、各館の費用負担を軽くしたり、小学校から会館への移動費を行政が支援するなど、地域格差を埋める試みもみられます。限られた予算の中で、効果的な鑑賞の機会が提供できるように、知恵を出し合い、協力し合うことが必要となっています。





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