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梅若能楽学院会館でのお稽古はじめ <謡・仕舞/狂言>

2022.10.25 レポート

ひと月ほど前の暑さ厳しい9月26日。
本年度最初のお稽古となる、能楽の謡・仕舞と狂言の2コースが中野区の梅若能楽学院会館で始まりました。
子供たちは半袖姿で元気にお稽古場に集まりました。

謡・仕舞のお稽古では、能のなかの謡(歌唱)と舞を学んでいきます。
足袋の履き方を教わり、一人ひとりに扇が配られました。
「武士にとっては刀が命と言うように、舞や謡をする人にとって心が宿ったこの扇はとても大事なもの。ですから、扇を踏み越えたり、人のことをちょいと叩いてみたり、投げたりはしないこと。大切に扱ってくださいね」
  

能舞台へ移って、先生から質問です。
「松、竹、と言ったら、次は何ですか?」「梅!」
「そう、松竹梅と言いますね。この舞台には松があります、竹もあります。では、梅はどこにあるでしょう」子供たちが、あちこち見まわしています。
「実は、みなさんが梅なんです。能のかたちをつくった世阿弥(ぜあみ)が書いた『花伝書(かでんしょ)』という本のなかで、能の芸を花にたとえて“能は花をお客様に見せること”と伝えています」
しっかりとお稽古に励んで、3月の舞台で立派な花を咲かせてくださいね。
Aクラスは「高砂(たかさご)」、Bクラスは「月宮殿(げっきゅうでん)」のお稽古からスタート。
(「月宮殿」は、この日、教えてくださった友枝真也先生の初舞台の曲です。)   

狂言のお稽古では、2~3名で組になり、ひとつのセリフ劇を学びます。
「狂言は、いつ頃からあったと思いますか?」「うーん……、50年前くらい?」
「もっともっと昔です。実は、約700年前になります」
「えーっ。おじいさんのおじいさんのおじいさんの……もっと前?!」と子供たちから驚きの声。
「時代で言うと室町時代。人々が着物を着て、刀を腰に差して、ちょんまげなんかを結っていたころ。狂言は、いまも700年前と同じかたちで演じられ、このようなものは世界中を見てもなかなかありません。ですから、狂言や能は無形文化遺産に登録されています。これから、みなさんは世界的な文化遺産に挑戦しますよ」
 

狂言コースでも扇が配られ、開いてみたり、閉じてみたり。続いて、すり足を教わりました。これら一つひとつに作法があり、単純に見えても簡単ではありません。あいさつや基本の構えをしっかりと学んだうえで、型に沿った動きや独特な言葉づかいを覚えていきます。
まずは、先生の問いかけに大きな声で返事をすることから始めましょう。
  

いつもと違う空気に触れる “和のお稽古”。
ひとつの道を歩み続けるプロの実演家と過ごす時間が、皆さんの “一生のたからもの” になることを願っています。