2021.02.28

インタビュー「あの先生の “キッズ時代”」坂東はつ花先生(日本舞踊)

先生たちの “キッズ時代” や “たからもの” にまつわるエピソードを紹介するシリーズ企画。
お稽古場ではなかなか見えない先生方の「素顔」を、少しだけお伝えしています。

今回は、日本舞踊コースの 坂東 はつ花(ばんどう・はつはな)先生です。
お名前のとおり花のように可憐な はつ花先生に、ご自身の “キッズ時代” について文章をお寄せいただきました。


物語が大好き。浴衣を羽織り、手拭いを被って遊ぶ女の子

― お稽古をはじめた時期、きっかけを教えてください。

日本舞踊のお稽古を始めたのは4歳の頃です。きっかけは、自ら浴衣を羽織り、頭に手拭(てぬぐ)いを被って遊んでいた姿を見た叔母の勧めからです。当時は踊るというより、稽古場の“先輩お姉さん”達と遊べる! という感覚で通っていた記憶があります。
幼少の頃に好きだったことは絵本を読むこと。日本のむかし話や世界の童話がレコードと絵本のセットになったシリーズがあって、字がまだ読めないので一人で読み聞かせのように聴いて全巻暗記していたそうです。ことに「かぐや姫」と「みにくいアヒルの子」がお気に入りだった記憶があります。また、祖母に連れられて人形劇を観に行くことも何よりの楽しみでした。中学生になると宝塚にハマり、ミュージカルやお芝居にもよく足を運びました。子供の頃から、華やかな舞台の世界にとても興味と憧れがありました。

photo: 初舞台、日本舞踊「長唄『菊づくし』」師匠の発表会にて(5歳の頃)

泣きながら通ったお稽古の先に見つけた喜び。“物語”を踊る

― なぜ、いままで続けてこられたとお考えですか。その魅力について教えてください。

日本舞踊を続けてきた理由、それは母が辞めさせてくれなかったからです(笑)。実家は日本舞踊とは無縁の環境だったのですが、祖母が茶道の先生をしていたこともあり、母自身も幼い頃に少しだけ日本舞踊を習った経験から、和の習い事に尊敬の念があったのだと思います。が、子供の頃の私はお稽古が大嫌いで、行きたくなくて泣きながら通っていた記憶もあります。ただ、本番を終えた後の達成感は、辛かったことを全て忘れさせ爽快な気持ちになったことを とても印象深く覚えています。幸いにも成長していくうちに表現することが楽しくなり、踊ることが喜びになりました。
日本舞踊の演目には様々な物語があり、老若男女、動物、自然、いろいろなものになり情景や心情を踊りで表現できるので、お稽古するたびに違う楽しみがあります。また、着物で生活していた時代の日本の風俗や所作を感じられるのも、日本舞踊の魅力のひとつです。日本の美しい所作を伝える素晴らしい芸能であるということ、それも私がこの道を選んだ理由の一つです。

努力や我慢が必要な時も。達成感が“自信”に繋がる

― お稽古をがんばっている子供たちに向けて、メッセージをお願いします。

今、キッズ伝統芸能体験で日本舞踊のお稽古をがんばっている皆さん、慣れない浴衣を着て、日常生活にない動き、所作で踊るのはとても大変なことです。努力や我慢が必要な時もあると思います。日本舞踊のお稽古に限らず、何かの目標に向かってがんばることは素晴らしいことです。
目標が、「発表会で上手に踊る!」でもいい、「次のお稽古であそこの振りを覚える!」でもいいです。大きな目標でも目の前の目標でも、それに向かってがんばった後の達成感は、これから先の自分の自信に繋(つな)がるはずです。みなさんの記憶に残る体験になるよう、講師一同心を込めてお稽古しますので、一緒にがんばりましょう! [寄稿]

photo: 最近の舞台より 日本舞踊「常磐津『戻駕』」“禿・たより”役(2016年 日本舞踊協会公演にて 於:国立劇場)

*キッズ伝統芸能体験 講師紹介(プロフィール)はこちらから